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スタッフからの便り(スタッフ日記)

所長のミパド+ワン-「ドリーム・スクール」が、人を動かす


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SVAカンボジアでは、これまで学校を作る担当課を「学校建設事業課」という名前で活動をしてきました。現場での名称も英語でもカンボジア語でも直訳していました。昨年の末のある時に、「少し学校を建設することにこだわり過ぎているのではないか」と、誰からともなく疑問が出てきました。

SVAは、これまで15年間で、約170校の学校を建設してきました。学校の校舎の建設の質、住民参加、井戸、トイレ等に関してカンボジア政府や各州、村、小学校から高い評価を受けてきました。しかし、カンボジアの小学校を見ている何かが足りないことに気が付きました。それは、校舎・教室、校庭、環境を守る植樹、遊び場、国旗掲揚塔などの配置に対しての明確な基準が教育省、州、郡、村レベルでほとんどないことでした。

乱暴な言い方をすると殆ど無計画に、校舎の位置、国旗掲揚塔、校庭、植樹、花壇等が作られていたのが現状です。子どもたちが、スポーツや運動をする広い校庭が大半の小学校ではありません。広い校庭があるのに、無計画に植樹をして運動場を潰しているという現状です。

この問題を解決するために、少し大げさな言い方をすると「マスター・プラン」を作って、10年、20年、30年先を考えた学校を作り日本的に表現すると「知育」「徳育」「体育」が最低、行われる地域の文化や社会、自然環境に合った学校を計画的に、住民参加でするというものです。対象は、支援の届かないより困難な地域、辺境の村です。この実現には、新たな予算を殆ど必要としません。必要とするのは、「長期計画」「知恵」と「住民参加」、そして、私たちが作る、作った学 校に対する「夢」と「誇り」。

今年からSVAのカンボジアで作る学校は、建設する前に住民と学校、郡、州の教育局、そして、SVAが一体となって合宿をして、現場の視察や徹底的な議論をして計画を作ることから始めています。これによって、校舎の位置、校庭、学校林を作る植樹位置、木の種類、井戸、トイレ、野菜畑も緻密に計画されるようになりました。

また、この計画をしている間に、学校建設チームによる移動図書館活動まで始まりました。担当は運転手さんで予算も人も増やさないで画期的活動となりました。一校が出来るまでに、20回その学校を訪れます。辺境の村の子どもたちは、絵本や図書に触れる機会はありませんでした。事前調査も入れると年間、200日辺境の村を訪れています。その機会を利用して、移動図書館も始まりました。

「ドリーム・スクール」という名前を掲げてから建物だけでなく、学校における教育、図書、教科書、植林、環境に関心が配慮されています。また、学校に来てない子どもたちをどうするのか。途中で退学していく多くの子どもたちをどうするのか。根本的且つ私たちにとって、重要な問いかけに対しての試行錯誤が始まろうとしています。

「ドリーム・スクール」構想は、何よりカンボジア人スタッフの夢となりSVAの職員としての誇りとなっているようです。コンポントム州の教育長は、5月の全国教育会議の席上で、「ドリーム・スクール」構想を他の州でも始めようと訴えてきたと目を輝かせていました。

「名前の大切さ」。そして、「夢」の大切さと具体的に実現、実践して形にすることの大切さを痛感するこのごろです。「夢」は世代や時代、そして、国境を越える」。日本の皆様の「夢」を共有しながら、カンボジアでの「ドリーム・スクール」を実現させていく心算です。

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写真1:「ドリーム・スクール」の計画を現場で相談するSVAスタッフ
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写真2:計画的な環境を作るための植樹も学校の建設前から開始

 

八木沢克昌

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