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文化支援事業

寺院を中心とした植林活動


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「苗木を育てて、植林するまではそんなに難しくない。問題は、植えた木が本当に根付くまでの3年間が問題」。イートンさんは、見渡す限りの平原と乾いた田圃を見ながらため息をついた。

イートンさんは、現在、SVAのカンボジアの副所長。これまで高校の教師、教員養成学校の教師、カンボジア文化省、宗教省でも責任ある立場で働いたことがある。カンボジアを代表する知識人の一人。特に、カンボジアの歴史、言語学、仏教、仏教美術の知識と研究ではカンボジアの中でも第一人者の一人。ポルポト時代は、知識人であれながら高校では農業も教えていたことからその農業の知識と技術を生かして奇跡的に生き延びたという。

そのイートンさんが今、一番、力を入れているのは、生まれ故郷、ベトナム国境のカンボジアの中でも最貧困県の一つのスバイリエン県の農村での寺院と僧侶を中心とした住民参加による植林。

もともとカンボジアの寺院には、寺院の森とため池があったという。元来、仏陀の教えの中に、僧侶は森の中に住むという教えがあるという。村の森のあるところが、寺院。日本でいう鎮守の森のような存在だったという。

カンボジアは、1969年には、国土の78パーセントが森林。1997年には、58パーセントにまで減少。さらに現在は、50パーセントを切っている。森林の減少の問題は深刻な問題となっている。スバイリエン県でも開発僧として、世界的に知られているキム・テン師も植林に力を入れている。しかし、植林は試行錯誤の連続という。植えた後に水が無くて枯れてしまうことが後を絶たない。そして、放し飼いにしている水牛や牛などの家畜に食べられてしまう。さらに害虫と様々な困難がある。

スバイリエンの農村の中でも森として残っているところが本当に数える程しかいない。農民も一度切ってしまった木を植える余裕も無い。植えたくても水が無い。イートンさんは、村人が将来、家を作る木材や家具、船等が作れる木。そして、燃料として使える木。果物のなる木、伝統医療として活用できる木と様々な木を推奨している。これという木があるとベトナム、タイ、カンボジアの各地を回って種や苗木を仕入れてくる。 村の森が再生されれば、動物、植物も戻ってくる。また、雨も降るようになる。森と動植物との生態系の回復によりそれにより村人の生活も向上する。まずは寺院と僧侶がそのモデルを作ることが大切だという。

昨年、政府が作った灌漑用水の土手に、僧侶と村人が一緒になって植えた5キロの木は、見事に根付いていた。乾期は、毎日、灌漑用水から水をやっているという。村人が自転車に乗って一本、一本と水をやっていた。この作業を三年間続ける必要があるという。木の植えられた土は、ガチガチの乾燥土。 種を蒔き苗木を育てるのも簡単なことではない。穴を堀り、木を植えて家畜に食べられないように柵を作り被せる。そして、乾期の間、毎日、水をあげるのは忍耐と孤独、とのそして、貧困との闘い。 ベトナム国境の村で、植林、森の再生の難しさを痛感させられた。まずは、人間の心の中に木を植える心と知識、忍耐を持った人材を育てなければ木を育たないとつくづく思った。

SVAカンボジア事務所、今年は、植林ブーム?。学校建設の「ドリーム・スクール」の構想の中でも、全ての小学校に学校林を作るための植林活動が開始された。村の中心の寺院と小学校が両輪となって植林を始めた。これからが楽しみだ。

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写真:苗木の手入れをする僧侶

八木沢克昌


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