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図書館事業

心に響くクメール民謡


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カンボジア教育省によって定められている小学校1年生から3年生の基礎科目は、クメール語{週13クラス}[1]、算数{週7クラス}、総合学習(社会、理科、美術、音楽を含む){週3クラス}、保健体育{週2クラス}です[2]。しかし、私たちが活動を行う地域の学校の現実はこの教育省の定めたカリキュラムとは程遠いものです。

まず、1点目として、大半の学校が2部制であるため、履修時間が大幅に足りていません。2点目として、きちんと教員研修を受けた経験を持つ教員、特に年配の教員に少なく総合学習の内容が理解できず、教科書に書かれていることを反復する程度に留まっている傾向にあります。また、特に美術や音楽が行われている学校はごく少数です。3点目として、保健体育が定められているものの、教科書もないため、多くの衛星校では行われていないのが実態です。

SVAは団体設立当初より伝統文化の復興・保全に取り組んできましたが、カンボジアの現在の教育状況を受け、特に音楽の授業がほとんど行われていない現状を目の当たりにし、子どもたちが自国の文化をより一層理解すると同時に、歌を通して感受性を高め自己表現の機会を増やしてほしいと願い、今年の初めに古くから歌われてきたカンボジアの歌を集めた「クメールの民謡」を出版、活動対象地域の小学校へ配布しました。本の中では、友人や家族・親戚との集まりの最後に歌う別れの歌、カンボジアの豊かな自然や人々の生活の情景を唄った歌など、楽譜付きの歌が30曲収められ、その歌から連想される風景が挿絵として添えられています。

多才な図書館スタッフは太鼓も叩けば、二胡も弾き、歌も歌います。その才能を活かし、現在図書館事業課で行っている教員対象研修会の中でこの本を使って歌のレッスンも行っています。それは、教員もこのような歌を知らないことが多いためです。そして、学校モニタリングや移動図書館活動を行う際にも、この絵本を使って子どもたちと歌を歌うように心がけています。

クメール人は昔から歌や踊りをこよなく愛していました。それらの踊りや歌は世代から世代へと受け継がれ、村の祝い事や集まり事の度に歌声が響き、遅くまで踊り続けられてきました。しかし、長く続いた戦争によって次第に人々の生活の中から歌声は消え、次世代に引き継いでいくことも少なくなっていきました。歌や踊りは文化であり、財産です。 私たちはこのようなカンボジアの文化を、活動を通して少しでも子どもたちに伝えていくお手伝いができればと思っています。

最後になりましたが、クメール人の心が詰まった数々の歌を盛り込んだ「民謡絵本2」を本年出版する予定で準備を進めております。現在この出版にご協力頂ける方を探しております。ご関心のある方はぜひ、SVA東京事務所のカンボジア担当の鎌倉までご連絡下さい。

[1] 1クラス40分
[2] カンボジア教育省「Policy for curriculum development 2005-2009」2004年12月

鈴木晶子

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写真1:「クメールの民謡」の中から1曲


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写真2:SVAスタッフによる歌の授業

 


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