今月はアンコールワットのお膝元、シェムリアップ州でのモニタリングを行っています。2チームに分かれて、14日間毎日学校を回っています。モニタリングで行うことは、学校の詳細データの収集、研修会後に配った絵本や備品がきちんと使われているかのチェック。備品の使い方の追加指導、飾り作りなど、その内容は多岐に渡ります。校長、図書館員への聞き取り調査も欠かせません。そして、移動図書館活動も行います。
このモニタリングには、SVAの研修を受けた教育省の職員、州教育局の職員も同行しています。彼らは積極的にデータを集め、聞き取り調査を行い、さらには読み聞かせの最初のゲームを行ったりと、研修会で学んだことを早速実践しています。
しかし、いくら習ったからと言って、最初から上手に子どもを楽しませることができるわけではありません。いざ生徒の前に立つと緊張して、声があまり出なかったり、頭ではわかっていても抑揚が付けられなかったり。
普段はデスクに座り書類に目を通し、会議に出席し、報告書を書くなどの仕事をしている彼らですから、当然なのかもしれません。ではなぜ彼らにも移動図書館活動に参加してもらうのか。それは、この活動への理解を深めてもらうためです。実際に、自分で読み聞かせを行ってみると子どもに楽しんでもらうことの難しさにも気付きます。
「今日の学校ではあまり生徒が笑わなかったから、今度はこうしてみよう」「もっとはっきりしゃべった方がいいよ」など、帰りの車の中では連日反省会が行われます。それでも、少しずつ楽しさも感じているのです。「彼がこんなに成長し、子どもの前で読み聞かせをしているなんて思わなかった。頼もしくなりました。」いつも同行する州教育局の男性スタッフを見て彼の同僚が言った言葉です。彼らが楽しいと思うからこそ、校長や図書館員にも教えたい、勧めたい、広めたいと思うのではないでしょうか。
そして、彼ら自身も無心に本を読む生徒の姿を見て絵本のチカラを感じるのではないでしょうか。自由読書時間にそっと子どもに寄り添い、一緒に絵本を読む彼の姿を見ながら、ふとそんなことを感じた今回のモニタリングでした。
鈴木晶子
写真上:おはなし前のゲームをする、州教育局職員
写真下:「楽しい!」読み聞かせに夢中な子どもたち