2月の上旬にコンポントムの山奥の村の小学校を学校建設事業課のスタッフと調査のために訪問した。その時に学校建設事業課は、年間200日も農村、僻地の学校を建設候補地 調査、建設の調整、監督等で訪問している話になった。その時小学校の訪問の際は、必ず移動図書箱を車に積んで、子どもたちに絵本や紙芝居を使い「おなはし」をして、さらに移動図書箱を使い移動図書館活動を始めようという話になった。担当は、運転 手さん。運転手のソカーさん、コルさん。運転手さんの休憩時間を使い移動図書館活動。
燃料費の節約と人件費の節約。何といっても、僻地農村の子どもたちは、生まれてから絵本を実際に見たことがない。遠隔地、僻地の小学校には、子どもたち用の教科書がない一冊もない。文字を習っても、文字を読む機会がない。本が無ければ、文字を学ぶ喜びが半減してしまう。
2月21日に、試験的に運転手さんによる移動図書館活動をシャムリアップ州の農村とコンポントム州の農村の小学校で開始。子どもたちは、生まれてはじめて見る絵本に大感動。運転手さんたちも「家に帰ったら娘に父ちゃんは、運転手だけではなく先生になったと自慢できる」と嬉しそうだった。この様子を見ていた郡の教育局長は、「これは凄い」と絶句。さらにその夜、コンポントム州の教育長と夕食を共にしてこの話をすると「実は、私も田舎の学校を訪問する機会が多いので、これから自分の車に移動図書箱を積んで移動図書館を開始する」とのこと。「どちらがいい活動が出来るかSVAと競争しましょう」。「お金が無い。人が足りないは、 禁句」。「本気で知恵を絞れば何でも出来る」と所長からいつも言われていたが、この方法がやっと見つかったと学校建設事業課のスタッフと運転手さんたちも嬉しそうだった。いっそのこと事業課の名前を「ドリーム・スクール・セクション」と変えようかと真剣に考えている。これから試行錯誤を重ねて、専門の図書館事業課の力を借りてより本格的に活動を深めていく計画。
八木沢克昌