9月より始まったスラム移動図書館活動ですが、11月10日はバサックスラムの強制移転地、アンドーン村の巡回に同行しました。アンドーン村への巡回は今回で4回目。スタッフのオートバイの後ろに乗り、プノンペン市内から西に国道4号線を30分行くとプノンペン国際空港です。その正面の道を北に入ってさらに20分、田んぼ道を抜けると1600世帯6000人が、避難小屋暮らしをしているアンドーン村に到着です。
ビニールシートや椰子の葉っぱで拭いた民家の軒先にシートを広げると、移動図書館の始まりです。待ちかねた子どもたちは早速思い思いの絵本を手にとって、広げています。字の読める子は一字一字を指で追いながら声を出して読んでいます。字の読めない子どもたちもいっしょうけんめい絵に見入っています。ひざに小さな弟を抱えた女の子が一枚一枚ページをめくっていました。
子どもたちがもう少し絵本を読みたいなと思っているうちに、スタッフによる絵本の読み聞かせが始まりました。子どもたちの人数も増え50人くらいはいるでしょうか。地べたに座って読み聞かせに見入って(聞き入って?)います。その周りに座っているおばさん、朝からほろ酔い加減のおじさんも!!! 一話終わるごとにみんなの拍手が沸き起こります。
最後はみんなの好きなカンボジアの歌です。何曲か歌って踊っているうちに、そのほろ酔い加減のおじさんが飛び入りでみんなの前で歌を披露。住民も参加して、大盛り上がりのうちに終わった今回の移動図書館活動でした。
6月6日に1000人近い武装警官によってこの村にスラムの人々が強制移転させられてからはや4ヶ月が経とうとしています。いまだに上下水道もなく、ごみ収集の公共サービスもないアンドーン村はプノンペンで一番生活環境が劣悪な場所と言われています。子どもたちの多くも学校に行くことができないでいます。スタッフも問題が大きいだけに滅入ることもありますが、子どもたちやおじさん、おばさんの笑顔から元気をもらってこの活動を続けています。
「また、来るからね。」と手を振りながら、アンドーン村を後にしました。
手束耕治