ブディングスラムの一部移転によってSVAの支援するコミュニティー図書館が同じスラムのほかの地区に移転したことを覚えておいででしょうか?しかし、とうとう移転の波はここにも押し寄せ、12月末にほかのスラムに図書館を移転することを決定し、大晦日、12月31日にブディングスラムから5分ほどのところにある、T85スラムに移転しました。
T85スラムは150世帯ほどの小さなスラムです。1979年のポルポト政権崩壊後、プノンペンのあちこちに軍隊が駐留していましたが、ここにはT85と言う部隊が駐留していたため、そのままこの地区の名前になりました。ですから、このあたりはT86、T87という地域が隣にあります。そこに、地方から流入した人々が住み始め、スラムが形成されてゆきました。とはいっても、その当時プノンペンはどこもこんな感じで地方から人が入ってきて住み始めましたから、特にこのあたりだけがスラムと言うわけではなかったはずです。 さて、このT85スラムですが、ロシア大使館のすぐ南、大通りから路地を1本中に入ったところにあるのですが、大変こじんまりとしたきれいなスラムです。というのも、住民委員長が大変しっかりとした女性で、住民の結束が固く、みんなで協力して道路などのインフラ整備をしたからだそうです。SVAの図書館活動の話をすると、ぜひこのスラムでと言うことで、住民委員長の自宅の敷地にある2階建ての小屋を図書館として貸してくれることになりました。 早速開設した図書館には毎日20人ほどの子どもたちがやってきます。幸いに、このスラムは移転の話はないということで、図書館をさらに整備するとともに、今後はここを拠点として、プノンペンのスラムを回る巡回図書館活動を展開してゆく計画です。
手束耕治