現在、国境沿いには9カ所のミャンマー(ビルマ)難民キャンプがあり、SVAはそのうち7つのカレン難民キャンプで活動しています(残る2つはカレニー難民キャンプ)。1984年より長期に渡る滞留生活にも、2004年にようやく第三国定住道が開け、定住希望者たちは受入国のインタビューに応募しています。私たちが一緒に働いている各キャンプ図書館委員会(自治委員会の下部組織)のメンバー及び各図書館員もかなりのメンバーが第三国定住を希望しています。
例えば、メーソット事務所から北に40分ほどで到着する約5万人を居住するメラ・キャンプでは、なんと図書館委員会の全メンバー14人中10人、図書館員の全メンバー12人中10人が第三国定住に応募しているとのこと。申請・面接に通れば語学・文化研修、健康診断、渡航オリエンテーションなどの手続きを経て出発日を迎えますが、早い人では年内にも出発となります。SVAがこれまで研修し、図書活動のよき理解者、実践者がいなくなることは新たな人の採用、研修を意味しています。また、その人たちがどれくらい長く働けるのかも知れません。オランダのNGOで学校教育を担当しているZOAも大量の教員が一斉にいなくなる現象に頭を抱えています。
難民個々人の将来、難民問題の全体的解決を考えれば喜ばしいことなのですが、こうして知識・経験のある人たちが第三国に次々と定住していくことで、残されたキャンプ内での組織運営、活動継続が急激にガタガタし始めました。SVAの図書館活動はキャンプ内でもニーズの高いユニークな仕事だけに、何とか継続して安定した図書サービスを提供したものです。人材を中心にしたマネジメントの仕方に相当な工夫が迫られています。
小野豪大