メインで行った活動としては、難民キャンプで生活している人々のメンタルヘルスと第三国定住についての知識・関心を調べるためのアンケートで、Mae Laキャンプでは120部、Umpiumキャンプでは80部をSVAスタッフに配布していただきました。図書館利用者を中心に配布したため回答に少々偏りがみられますが、とても参考になる貴重な資料となりました。研修日程の前半はこのアンケートの作成と配布を行い、後半では回収と結果分析にあたりました。
またもう一つメインで行った活動内容としてインタビューがあります。KYOやKWOといったキャンプコミティーを中心に、組織から客観的に観たキャンプ住人のメンタルヘルスについていくつか質問しました。しかしながら個人的な意見や思考がほとんどで思うような回答が得られず、そこでいくつかのNGOにもインタビューをさせていただくため足を運びました。また、精神的に問題を抱えているひとや女性・子供を暴力から保護する施設、セーフハウスを訪れ、実際にそこの居住者やスタッフの方にもコンタクトをとる機会があり、インタビューも行うことが出来ました。
トータルでMae Laキャンプには7回訪れる機会があり、Umpiumキャンプには2回訪問しました。キャンプ訪問日以外は事務所で、自らの研修テーマに基づいた資料作製や調査等に時間を充てました。
テーマに関する成果
2つのキャンプで実施したアンケートにより、大まかではあるがメンタルヘルス・第三国定住に関して、また各個人のバックグラウンドに関する質問も設けていたので、それらに関する多くの人のデータを得ることが出来ました。それぞれのキャンプに配布したアンケートの回収率は70%以上となかなか良く、そのデータを元にメンタルヘルスに問題がある人を私なりに分析したところ、「多文化間精神医学」でWestermayer氏が報告したものと似たような結果を得ることが出来ました。およそ30%の回答者が精神的問題を抱えていると考えられるのです。
一方インタビューではキャンプコミティのスタッフからは上手く欲しい情報を得ることが出来ませんでしたが、セーフハウスでは実際にメンタルディスオーダーの人とコミュニケーションをとる機会があり、また第三国定住を控えた人や拒否された人にインタビューする機会も得られました。精神的問題を抱えている人と実際に会ったのは初めてでとても衝撃的であり深く印象に残り、セーフハウススタッフの話からも、今後のメンタルヘルスに関する注目とサポートが必要なことを再確認しました。それから第三国定住については各国の受け入れ条件も調査しようと試みたのですが、それを公開している国は少いようで、また全ての国の申請者を集めることは不可能だったので情報を得ることが出来ませんでした。定住前の精神状態をうかがうことは少人数でしたが出来たようにおもいます。
それからKYOから子供の描いた絵を集めて編集した資料を頂き、その絵から子供がキャンプ生活をどのように感じているのか等分析もしようと試みている最中です。
今回のインターンではカレン族やビルマに関して知識がゼロの状態からのスタートだったために、主に情報と資料集めに東奔西走しました。インターンの期間は終了したものの、集めたデータの整理や分析を今後続けていくつもりで、最近では難民やビルマに関する情報を講座や後援に参加して情報・知識の収集を進めています。
今後はオーストラリアで定住後の難民の生活について調査しようと考えているので、今回調査したキャンプ生活から受けるストレスや精神状態を定住後と比較して第三国定住のあり方を私の視点で見ていきたいと考えています。
感想
今回の経験は私にとって何もかもが新しく刺激的な日々の連続でした。しかし張り詰めた空気はどこにもなく、スタッフの皆さんは本当に親切で優しくて、毎日が楽しくて仕方ありませんでした。またスタッフや出合ったカレン族の人々は私達研修生をにこにこと暖かく迎え入れてくださって、タイ人もそうだったように思いますが、いい意味でのんびりとしていて寛容で、そういった部分も学べるところが多かったです。
渡航前にはNGOがどんなところなのか、難民キャンプがどんなところなのか全く想像もつかなかったのが、たった1ヶ月でぐんと「難民」との距離が縮まりました。難民とは出会うことのないだろうニュースの中の別世界の人のような感じを覚えていましたが、実はとても身近な存在で、気づかなかっただけのようです。難民に限らず、今まで遠くに感じていた貧困問題や地雷、紛争問題など受身の姿勢で勉強してきたことは、実は私が自分から近づこうとしなかっただけで探してみれば、能動的になってゆけば、とても身近なことでした。
今回のインターンでは、設定したテーマの学習も出来ましたが、それ以上に多くのことを得た気がします。あの環境だから学べたことがたくさんあって私自身の成長にもなりましたし、ターニングポイントになるかもしれないというくらい将来を考える上でも大きな影響を受けたと思います。同じ日程でインターンに来ていた同年代の研修生と一緒に過ごすことが多かったのもとても刺激的で、研修に関することだけでなく、日常生活においても、アクティブな彼女から学ぶところは大いにありました。
「参加して本当に良かった」が率直な感想です。インターンの時の姿勢を崩さず、今後も自分の興味関心に積極的であろうと思います。