シーカー・アジア財団(SAF)の組織自立化5カ年計画の2年目にあたる2010年度、スタッフの事業運営、組織運営の面での能力向上が顕著となりました。2011年度はタイ国内における資金調達の能力強化を重点事項として取り組みます。具体的には、担当職員の雇用、タスクチームの設置など体制の充実を図ります。
事業面においては、ミャンマー(ビルマ)国境地帯における移民の子どもたちに対する支援を開始します。
文化的、社会的に複雑な背景を持つため、活動実施に細やかな配慮が必要とされます。それを考慮しながら取り組んでまいります。
カレン族の村の保育園33 カ所における図書活動の3年目として事業評価や次年度の対象地の情報収集を行いました。41回開催した移動図書館活動の参加者は、計5,514人。保育士研修会には76人が参加しました。
2011年度は、ターク県メーソット郡周辺のミャンマー(ビルマ)移民の子どもたちが通う小学校20カ所とウンパーン郡カレン族の保育園15カ所が新規対象地となります。経済的、社会的に困難な状況にある子どもたちに対して、絵本・おはなしの活動を通して生きる力を育むことを目標とします。
<写真:移民のコミュニティにて絵本を楽しむ兄弟>
20年近く運営をしてきたスラム地区の図書館2館を行政へ移管します。チュアパーン図書館では、区との話し合いが行われ、住民委員と共に申請書類を作成しました。2012年度以降の移管完了を目指し区および地域住民との調整を進めてまいります。スアンプルー図書館では、隣接地に都営の総合学習センターが設置されるのを受け、図書館の縮小を検討することになりました。SAF は当センターの運営計画委員を務めていることから、これまでのノウハウを継承していきます。
2010 年度は、1万2,627人がチュアパーン図書館を、1万719人がスアンプルー図書館を利用しました。
<写真:チュアパーン図書館で絵本読み語りコンテスト年少の部優勝のチャリニー5歳 (C)瀬戸正夫>
開設して2年目となる2010年度は、バンコク・スラム地区における図書活動の定着度の向上のためにニーズの調査を実施。他団体とのネットワーク構築を行いました。併設のクロントイ図書館では、教材の開発が行われました。
また研修会を16 回実施し、557人が参加しました。図書館の利用者数2 万1,678 人となっています。
2011年度は、ニーズ調査の結果を生かした研修の開催および教材開発に取り組むとともに、社会の認知を高めるために広報にも力を入れます。
<<親子対象の研修会の様子 (C)瀬戸正夫>
バンコク・スラム地区および少数民族の地域の学生350人に対して奨学金の支給をしました。ミャンマー(ビルマ)国境地帯においては、新規対象地の実情把握のため住民および学校との関係づくりを積極的に行いました。2011 年度より国境地帯の子どもたちへの奨学金の支給も行います。
カレン族の村における学生寮の建築が完了し、41人が入寮。学生たちの生活環境が改善されました。
<写真:奨学金 ポンピモンさん母親と妹と一緒に>
新規寮生17 人を含む少数民族の中高生49人が生活をする学生寮では、前年度より自立を目指した農業活動に取り組んでいます。2010年度は、自然農法の講習および視察を実施し、農作物の生産(米、野菜、キノコ)および家畜の飼育などの活動の質が向上しました。2011 年度は、これまでの実践の経験を生かし、農産物の収穫量増、運営費の削減を目標にしています。
<写真:学生寮 寮生の勉強風景>
被災から6年後にしてようやく地域の大きな課題であった地区の再登録が完了しました。
改めて選出された住民委員が保育園の運営委員に加わり、区への運営移管の手続きを開始しました。「住民主体の保育園運営」を目指し、区との協議を重ねています。運営面では、75 人の園児を受入れ、保育士の能力向上のための研修会を実施しました。保護者との関係づくりに力を入れ、親子で参加できる活動を行いました。
2011年度も引き続き区との調整および保育の質向上に努めていきます。
<写真:スアンプルー保育園 親子活動の様子(C)瀬戸正夫>