9月19日深夜、軍部によるクーデターが発生しました。「クーデター」というと武装勢力による圧力で庶民の日常生活も麻痺するイメージがありますが、今回のクーデターでは日常生活は至って平穏です。
タイのクーデターは歴史的にも政変のあり方の一つとして機能しており、それを民主主義的ではない、という批判もありますが、西欧の民主主義とは一線を画した政体がタイでは生きている現われでもあります。また、クーデターを敢行するにあたり、国民の精神的支柱であるプミポン現国王の承認を取り付けることは必須なので、クーデター開始後、プミポン国王の誕生曜日である「黄色」をあしらったバンドを軍人がしていたり、戦車に「黄色い」リボンを巻きつけたりと、国王の下での「クーデター」を表し、テレビでも国王賛歌の画像を流していました。また翌日には、クーデター首謀者による国王謁見の写真を掲載し、クーデターが国王のお墨付きを得ていることを内外にアピールしています。
ただし、クーデター後は戒厳令がしかれており、軍部を中心とした「国王を元首とする民主主義体制下の統治改革団」は早急に民政移管を謳っていますが、その移行過程の中での不安定な政情が当分続くことは確実なので注意が必要です。
20日早朝、戦車を見物する住民
写真提供:瀬戸正夫