アジア子ども奨学金事業では、都市スラムと、東北部、山岳少数民族が多い北部の農村地区、そして近年津波で被災した南部パンガー県にて、奨学金の支給を行っています。バンコクは経済発展を遂げていますが、貧富の格差は依然として改善されていません。そのため、中学や高校へ進学できない子どもがたくさんいます。都市スラム、農村地区では、生活様式や収入の手段など大きな違いがありますが、それぞれ経済的、家庭的事情で困難な状況におかれた中高生約530名に奨学金を支給しています。
タイでは、夏休みが明けた5月、雨季の到来と同じころ、新学期を迎えます(大学は6月)。毎年この時期に、SVAでは前期奨学金授与式を各地で行っています。各地の奨学金授与式等で子どもたちに触れると、そのたくましさ、勤勉さに頭が下がることもしばしばです。特に農村部の子どもたちは、与えられた貴重な機会を生かそうと一生懸命勉強します。SVAが支給する奨学金だけでは学費のすべてをまかなうことができませんので、家族はそれなりの努力をしなければなりません。家族の負担を少しでも軽くしようと、奨学生の多くは、約2ヶ月のお休みの間を利用して、知人や親戚、家族を頼って都市に出稼ぎに行きます。建築現場や工場、飲食店や配達などに従事し、安い日銭ながら地道にお金を貯めて、新学期にそなえるのです。
そのため、出稼ぎから戻ってくる子どもたちが出席できるように、奨学金授与式は新学期ぎりぎりの日程に組んでいます。ふだんの生活でも、弟妹の世話、家事、実家の商売や農業の手伝いなども家族の一員として、あたりまえのようにこなしている奨学生たちは、同じ年頃の日本の若者たちよりたくましいように感じます。見た目は幼く、純朴な子が多いですが、考え方がしっかりしていて、将来を見据えて努力している姿に心を打たれます。
日本のご支援者の皆さまから届く奨学金は、将来タイ社会を担っていく子どもたちのために、大切に使われます。ご理解とご協力をどうぞよろしくお願いします。